コが重なる家
種別:新築
所在地:広島県広島市安佐北区口田南
構造:木造
規模:平屋建て 134.28㎡
家族のふれあい、空間の抑揚、外観に関連性を持たせるため、コの要素を取り入れた。
下部のコと上部のコで挟んで空間構成した。下部のコにより、中庭を囲うようにコの字型の間取りとなっている。中庭を囲うことで外部の目線をカットし、光と風、緑を室内に取り込む。
上部のコはコの字状の天井部のことで、天井のアクセントととして木板を貼った。上部のコの天井高さは2.4mとし、玄関ホールや廊下、DKにまたがることで各スペースに連続性を持たせている。
また、中庭の一部の天井も取り込むことで、中庭と室内の境界をあいまいにし、より開放感を確保している。
上下のコが重ならない、リビングや中庭、ダイニングと和室の中間部の天井高さは高くし、一部にはハイサイドライトを設置することで上部からの光も確保。
天井高さを変えることで空間にメリハリと開放感を与えている。この内部空間の抑揚が、東側のファサードの凹凸に連動している。
住宅が密集する団地での計画のため、希望する要素を盛り込み、プライバシーを確保しながらも開放的な平屋で敷地を有効活用したいというご要望から、敷地形状に沿った建物計画と、建蔽率は緩和を適用することでクリアし、ご要望を実現した。
角地のため、ファサードは北側と東側それぞれの顔を持つ。
北側はフレームのファサードとし、住まい手や来客を招き入れる。アクセントに使用した外壁材により正面性の強調と、要所に使用した木部や施した植栽との調和を図った。
一方、東側は建物内部の空間構成と連動した、4つのボリュームが連結したキューブのファサードで、外壁材を使い分けることで、よりキューブ同士の連なりに躍動感を与えた。
道路に一番近いキューブは、基礎がない片持ち支持とすることで、擁壁上に跳ね出して建物を配置し、敷地の最大限の有効活用を行った。
また、浮遊感も加わることでファサードの表情がより豊かになっている。