エアコンサイズはどうやって選ぶ? 広島設計事務所ブログ
こんにちは、羽田建築設計事務所の羽田佑輝です。
七月も半分を過ぎ、本格的に夏に突入してきましたね。
暑い日も続くのでエアコンに頼っているご家庭も多いと思います。
この度はエアコンの容量に関するお話をしたいと思います。
エアコン容量の見方
よくカタログなどで以下のような表を目にします。
「能力」や「消費電力」は見てもいまいちイメージが付きにくいので、エアコンの容量を決める上で多くの方が参考にするのは「畳数の目安」ではないかと思います。
この表の場合、暖房性能が6~7畳、冷房性能が6~9畳程度と読みがちですが、「木造住宅なら暖房性能6畳と冷房性能6畳、鉄筋住宅なら暖房性能7畳、冷房性能9畳」という表記のようです。
エアコンを効率よく使うために、正しい判断のもと、部屋の広さや断熱性能にあったエアコンを設置したいものです。
部屋の広さや断熱性能よりも小さい(容量が足りない)エアコンを設置した場合、
・冷暖房に時間がかかる
・容量が足りないのでフル稼働状態が多くなり、電気代がかか、機械も疲労して故障などの原因になりやすい
ことが挙げられます。
逆に容量が過大だと、
・購入時の初期費用が余分にかかる
・本体の大きさも大きくなり、スペースをとる
ということになりかねません。
新築住宅の場合の適正なエアコン容量の算定
最近は新築時にエアコンはお施主様が直接家電量販店で購入されるケースが多いです。
その方が工務店や住宅メーカーでエアコンを工事する場合に比べて安価になることが多いためです。
そこで参考にするのが上記のリストですが、前述した見方はあくまで参考なので、全ての住宅にあてはまるものではありません。
築年数が多い建物であればある程度カタログ値を参考にしてもいいかもしれませんが、新築住宅の場合は計算をして定期性なエアコン容量を算定した上で検討することをおススメします。
ただ、一般の方が計算するとなると知識も必要なので家を設計した設計士等に聞くのが宜しいと思います。
一昔前に比べると高性能の住宅を建てる工務店や住宅メーカーが増えてきましたので、エアコンの容量の相談をしても恐らく乗ってくれるはずです。
その時の返答が、カタログに載っている畳数を見て決めるよう言われた場合は、このご時世によほど断熱性能が低い住宅であるか、設計士の勉強不足かのどちらかの可能性があるので要注意です。
仮にエアコンが工事に含まれている場合は、容量の算定根拠まで確認したほうがよさそうです。
せっかくの高性能の住宅であるなら最大限活用したいものですが、携わる設計士等がその数値などを理解しないまま提案しているのであればもったいない限りです。
計算によるとどれだけ違うのか?
最後に、参考として計算をした場合の違いの一例をお伝えします。
高性能住宅といっても数値は様々ですが、広島など比較的温暖な地域で、次世代省エネ基準を満たす程度の断熱性能で算定してみます。
Ua値:0.87 C値:0.8 床面積:50㎡(30.25畳)の条件だと、
必要暖房能力→2.78KWとなります。
暖房能力で見る理由は、冷房よりも暖房の方が多く働くため容量が小さくなるからです。
市販されているもので近いのは暖房能力2.8KWで、暖房時6畳の商品となります。
30畳の広さなのに計算すると6畳用で済む計算となります。
暑さや寒さは個人差があるとして、少し大きいサイズを選んだとしても、3.2KWで7畳用となります。
実際計算する場合は、断熱性能や気密性能と照らし合わして最適な容量を決める形となります。
エアコン一台で家全体を空調できる高性能住宅の設計を行う場合は、特に上記のような計算や数値の検討が不可欠です。
そのお話はまたあらためてさせて頂けたらと思います。