羽田建築設計事務所

2020.9.16

豆知識 無垢フローリング② 広島設計事務所ブログ

設計をする上でオススメすることが多い無垢のフローリングですが、

何回かに分けて特徴などをまとめていまして、

今回は第2弾になるので宜しければ参考にしてみて下さい!

 

無垢フローリングの表面に塗装をして使用するのですが、

この度は「自然塗料のオスモとリボスの違い」をご紹介します。

よくお客さまから「自然塗料ってたくさん出ているけれど、どれがいいのかわからない・・」「ワックスをかけたほうがいいのか?」などご質問をいただきます。

昔ながらのワックスだと撥水性の面では有利ですが、木の表面に塗膜を生成するためツルツルの仕上がりになり、無垢フローリングならではの本物の木の素材感が失われてしまいます。

普段お勧めしているものは、今からお話する自然塗料「リボス」や「オスモ」が多いのですが、そのほかにも「アウロ」やお米を主成分とした「キヌカ」などたくさんの自然塗料が販売されている商品となります。

どの塗料も一長一短があるので、どの塗料がいいとは一言では言い切れません。なので、それぞれの特性をよく理解していただきご自分の納得いく塗料をお使いいただければと思います。

ではみなさまのより良い家作りのために、代表的な自然塗料のオスモとリボスについてお話させていただきたいと思います。

私が現場で自然塗装で仕上がったものを見て非常に個人的な観点からお伝えさせていただきます。

  • リボスって何? オスモって何?

リボスもオスモもドイツの自然塗料メーカーです。
要するにメーカー名なんですね。

どちらのメーカーも「植物油」を中心とした成分なので非常に安心できる塗料です。

環境問題に厳しいヨーロッパならではの風土なので、このような自然塗料が生まれたのではないでしょうか。

これらのメーカーの違いは何なのでしょうか?

まず成分の違いです。

・リボスは亜麻仁オイルが主成分(亜麻仁とは麻科の植物です。)

・オスモはひまわり油が主成分

どちらの成分がいいというのはありませんが製品によって塗料を塗った後の仕上がり感が若干、違います。

では両社の代表格的内装用商品を比較してみましょう。

リボス社からは「アルドボス」「クノス」という商品、そしてオスモ社からは「フロアークリアー」という商品を比較してみます。

・アルドボス(リボス社)は亜麻仁オイルの成分のおかげで、少しあめ色になる傾向があるが撥水効果があまり期待できない。

しかしながらワックス系の成分が少ないので塗る時によく伸び、塗りやすい。
ツヤ無し塗装。

・クノス(リボス社)はアルドボスより、撥水効果があるが、アルドボスより少しツヤ(3分ツヤ)がでる。

このツヤは次に説明させていただくオスモ社のフロアークリアーと同じ程度な感じ。

・オスモ(フロアークリア―)はひまわり油のほかに配合されているカルナバワックスのおかげで撥水効果が期待できる。反面、リボスに比べれば伸びにくいので塗るのにリボスより時間がかかる。

※アルドボスはリボス社の内装用ツヤなしクリアー商品です。

ちなみに塗る時の「伸び」の違いは、そのまま「塗れる量」にも比例します。

メーカーからの指示書だと、2回塗りということなので、2回塗った時の使用量は次の通りです。

・アルドボス(リボス)

1回目  18m2/L
2回目   30m2/L

・クノス(リボス)

1回目  22m2/L
2回目   40m2/L

・オスモ(フロアークリアー)

1回目  12m2/L
2回目  12m2/L

つまり経済的にはリボス社がいい訳ですね。

このあたりで両者のメリット・デメリットをまとめておきます。

  • アルドボス(リボス)のメリット

・亜麻仁オイルのおかげであめ色に仕上がる。

・ツヤがない。(ツヤなし希望の方)

・塗料がよく伸びるので経済的

  • クノス(リボス)のメリット

・撥水効果が高い傾向がある。

・塗料がよく伸びるので経済的

  • オスモ(フロアークリアー)のメリット

・カルナバワックス成分により撥水効果が高い傾向がある。

次にデメリットです。

  • アルドボス(リボス)のデメリット

・撥水効果があまり期待できない。

  • クノス(リボス)のデメリット

・アルドボスより少し単価が高くなる。

  • オスモ(フロアークリアー)のデメリット

・塗料が伸びにくいのでリボス社よりも塗れる面積が少ない。

以上が主な自然塗料の違いとなっています。

 

Posted on by 羽田佑輝