羽田建築設計事務所

2020.9.6

豆知識 無垢フローリング① 広島設計事務所ブログ

設計をする上でオススメすることが多い無垢のフローリングですが、何回かに分けて特徴などをまとめていきますので宜しければ参考にしてみて下さい!

無垢フローリングの表面に塗装をして使用するのですが、

この度は「どのような塗装があるか」をご紹介します。

  • 無垢フローリングの塗装について

一般的に無垢フローリングの塗装は大きく分けて2つあります。

★一つめはウレタン塗装やUV塗装などの木の表面に膜をはるタイプ。

※ちなみにUV塗装とは紫外線を照射させて塗料を乾燥させていく手法のことで

紫外線をカットする訳ではありません。

★もう一つはいわゆるオイルフィニッシュと呼ばれる塗装剤が木に浸みこんでいくタイプ。

最近は自然塗料と呼ばれる植物系などの樹脂からできているものが人気です。

これらの塗装は一長一短がありますので簡単に説明していきたいと思います。

  • ウレタンやUV塗装のメリットとデメリット

・ウレタンやUV塗装のメリット

これらの塗装は合板フローリングなどによく使われているタイプで床を保護するには優れた力を発揮します。ある程度、耐水性もありますので日常生活で水などが床に飛んでも取り合えずは一旦、塗膜が水をはじいてくれます。(ただしあまり長時間そのままにしているとやはり水は浸み込んでいきますので水が付いたらすみやかに拭き取ってください。)またウレタンが木材の呼吸をある程度、ブロックしてくれる分、木材の寸法安定性(狂い)はオイル塗装よりも少なくなる傾向があります。

・ウレタン・UV塗装のデメリット

これらの塗装のデメリットとしては、日常生活をしていると、イスを引っ張ったりお子様がおもちゃを床の上で引きずったりすると白い傷が入ることがあるということです。この白い傷は木の床に傷が付いているのではなく塗膜に傷が付いているためにその部分が白くなるのです。これらの傷をきれいにするには、素人ではなかなか難しいのが現状です。ウレタン塗装の傷の補修方法としては、ホームセンターで売られている床用のクレヨンを使い、目立たなくするか、もしくはプロのフローリングの補修業者に依頼するかになります。

・オイルフィニッシュのメリット

最近は天然植物を原料として自然塗装のオイルフィニッシュが人気です。具体的には「蜜蝋ワックス」やドイツの「リボス」や「オスモ」というメーカーの自然塗料がメジャーですね。これらの塗料は「安全性」「自然素材」を特徴にしていますのでそういう意味ではとても安心です。またこれらのオイルフィニッシュは木材に浸み込んでいきますので木の表面に分厚い膜を作りません。ですからウレタン塗装のような「白い傷」は日常生活ではつきません。傷が付いた場合は木の表面に直(じか)についています。無垢材は合板と違いすべて自然の木ですからこの傷ついた部分を軽くサンドペーパーでこすれば傷は目立たなくなります。

このようにオイルフィニッシュの傷の補修は素人さんでもできるのがいいですね。

・オイルフィニッシュのデメリット

オイルフィニッシュはウレタン塗装のように表面に膜を作っていませんので耐水性がありません。水をこぼすとウレタン塗装よりもかなり早く木材に浸み込んでいきます。いわゆる「水しみ」ができやすくなるのです。(水しみもサンドぺーパーでこすれば目立たなくはなりますが・・・。)

また一般的に自然塗装は海外塗装出来ない場合が多く、海外で塗装できるウレタン塗装に比べて価格が高く傾向があります。そのため、最近は無塗装で購入され、現場で自然塗装をご自身で塗ることによりコストダウンをされている方も増えてきています。ご自分で塗装されることでより愛着もわくかと思います。

このように塗装の種類によってメリット・デメリットがありどちらがいいというのはありません。

無垢材の使用状況に応じて最適な塗装を選ばれた方がいいでしょう。

 

Posted on by 羽田佑輝